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2010年 04月 19日

多久聖廟 : 釈菜(せきさい)

佐賀県・多久市に孔子を祀る「多久聖廟」なるものがあります。
孔子を祀る聖廟は全国各地にありますが、
多久聖廟は足利学校、閑谷学校と共に日本三大聖廟といわれています。

4月18日、その聖廟で孔子を偲ぶ中国式祭典「釈菜」があり、見学しました。


釈菜の舞
多久聖廟 : 釈菜(せきさい)_d0124388_9114614.jpg
当日は地元中学生による釈菜の舞の他、趙勇氏による楊琴の演奏、
小学生による「孔子の里・腰鼓」などが披露された。

多久聖廟 : 釈菜(せきさい)_d0124388_9442614.jpg四配の像 
右から
 顔子、曾子、子思子、孟子

以前から孔子の
四大後継者・四配の像が
孔子と共に聖廟に
祀られていたが、
今年新しく作り直された、




多久聖廟 : 釈菜(せきさい)_d0124388_1025131.jpg釈菜の儀




市職員が扮する伶人の
雅楽演奏のなかで、
献官・祭官によって
孔子と四配の像に
供物が供えられた。



多久聖廟 : 釈菜(せきさい)_d0124388_10131128.jpg退出する献官・祭官と
  出番を待つ中学生







市長が献官を、
市会議長など多久市の
幹部が祭官を勤めていた


多久聖廟は多久の領主(佐賀鍋島藩の被官)・多久茂文によって
1708年に領民の心のよりどころとして建てられたとのこと。
以来、300年にわたって毎年春と秋に孔子と四配を祀る行事「釈菜」を続けているそうです。

私も「論語読みの論語知らず」ですが、
江戸時代以降儒教・論語は日本人の生き方の大事な指針だったようです。

そのせいかどうかは知りませんが、明治維新前後に来日した外国人が驚くほど、
日本人は倫理観と人情豊かな慎ましやかな人としての品性をそなえていたそうです。
そして、それは戦争に負けるまでは受け継がれていたんでしょうね。
 
現在でも聖堂だけは全国に100以上残っているそうですが、
孔子・儒教の精神・教えはどこへ飛んで行って仕舞ったんでしょうね。



by dojyou38 | 2010-04-19 21:29 | 街並みウォッチング | Comments(8)
Commented by taminamikawa1 at 2010-04-20 21:08
中国式祭典「釈菜」を見られたのは思い出に残りますね。
春と秋の2回行なわれる「釈菜」との由ですが、タイミングが良かったですね。
私はまだ見たことがありませんが、機会があったら、百聞は一見に如かずで、見たいものです。
私も「論語読みの論語知らず」ですが、私を含めてもっと多くの人がその精神というか、神髄を学べば、人格形成に役立ちますね。
Commented by hayatan at 2010-04-21 08:13 x
 dojyou38 さん、多久聖廟 : 釈菜(せきさい)祭りは私も初めてでしたが、やはり勉強家の dojyou38さんですな~~流石立派に纏めて居られて分り易い内容です。 写真も綺麗ですね。

私は、あと岡山県備前市にある特別史跡閑谷学校に行って見たいと思っています。
栃木県の足利学校の周辺の子供は論語を良く勉強していて論語は全て暗記していました。驚きましたよ!江戸時代後期には「多久の雀は論語をさえずる」「多久の百姓は鍬を置いて道を説く」と言われる程の論語が浸透した地域のようですね!

良い所に行きましたね~
Commented by dojyou38 at 2010-04-21 09:39
taminamikawa1 さん

多久聖廟へはこれまでに2回 訪ねたことがありましたが、
作られた経緯や役割をすっかり忘れていました。

今回、世話役が例祭に合わせて見学を設定してくれたので、
多久聖廟のことが良くわかりました。
世話役の皆さんに感謝しています。
Commented by dojyou38 at 2010-04-21 09:48
hayatan さん

写真や纏めほめてもらって恐縮です。
私は閑谷学校へは行ったことがありますが、足利には行ったことがありません。

昔の子供たちは意味の分からない頃から、論語を暗証させられたようですね。
しかし、それによって言葉を覚え、その精神を自然と身に着けていったんでしょうね。

今の若者の言動を見ていると、
昔のような教育も必要かなと思います。
Commented by udon at 2010-04-21 11:13 x
孔子廟のブログ素晴らしい解説つきで分かりやすいですね
私は随分前に春、秋の釈菜の儀式にお堂の中での参列をしました
胡弓で有名な張国良さんが中国から日本に残留家族の一員として
福岡で活躍され始めた頃です、素晴らしい胡弓の演奏に ただ
感激した想い出があります。ちなみに儒子(白に黒の襟)孔子の
時代にほぼ近く、その道の参考に見学者も多いです
Commented by matutaka31 at 2010-04-21 14:35

私は「多久聖廟」の話は聞いていましたが、まだ訪れたことはありませんので、機会がありましたら是非行ってみようと思いました。
dojyou38さんがおっしゃるように、倫理観と人情豊かな慎ましやかな品性を備えた日本人は少なくなっているでしょうね。
とりわけ、高度経済成長の時代以降は・・・・。
Commented by dojyou38 at 2010-04-21 16:20
udann さん

ブログほめて頂いてありがとうございます。
聖廟の中で釈菜に参列したのですか、貴重な体験をしましたね。

多久の釈菜は300年にも亘って地元の方が大事に受け継いでいるようですね。
それにしても、県外には余り知られて無いようでした。
車のナンバーを見ると、県外は殆んど無かったようです。
Commented by dojyou38 at 2010-04-21 16:35

matutaka31 さん

多久聖廟に行かれるのでしたら、例祭がある時期が良いですよ。
例祭の日でもそんなには込みません。
毎年、春と秋の2回 開催されているようです。

近年は論語も儒教も遠くなりましたね。
最近は論語の言葉を教えているんでしょうかね。
私の頃は少しですが、古文や漢文の時間に教えられましたが・・・

そして、先生によっては
特別な想いでその精神を説いていたように思います。


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